データーサイエンス

2022年02月19日

名古屋でも従来型のオミクロン株1型(BA.1)より感染力が高いオミクロン株2型(BA.2)が見つかったと発表されました。
既に発生源の南アフリカではオミクロン株2型(BA.2)が主流となっています。
報道ではオミクロン株2型(BA.2)はPCR検査でオミクロン株であることがすり抜けてしまうため、ステルスオミクロン株(見えないオミクロン株)と表現されていますが、日本のPCR検査法ではオミクロン株と判別できているためステルスという表現は間違いです。
不思議に思われた方も多いと思いますが、なぜ海外から入国者が日本に来てからこんなにも陽性に転じているかと言うと、日本のPCR検査の精度が厳しいからです。
DNAの特定は少量では分からないため、検体を一度過熱し冷やしてから再び温めると2倍に増えるという仕組みを利用して判別しています。
PCR検査の仕組みは、これを数十回繰り返すことでウイルスの特徴を増大させ判定しているのですが、この回数が国によってまちまちです。
例えば台湾では早く調べるため35回増殖を繰り返すのに対し、日本では厳しく40回も繰り返しているので、台湾で陰性でも、日本で陽性になることがあります。
ただ日本でもオミクロン株のBA.1とBA.2の違いまでは判定できませんので、BA.2の実態が分かるのはかなり先の話になりそうです。
感染力の高いBA.2の症状はインフルエンザと見分けがつかず、同じ扱いにして「町医者でも診られるようにすればよい!」との話が出ていますが、感染のメカニズムを調べると、まるで似て非なるものです。
新型コロナウイルスは、人間の舌や目、肺や腸などACE2受容体を使って人体に取り込まれることが分かっていますが、インフルエンザウイルスはどの受容体から取り込まれているか分かっていません。
インフルエンザウイルスで分かっていることは、80年前に見つかった細胞のシアル酸により取り込まれているということだけです。
シアル酸はツバメの巣に多く含まれていることから楊貴妃が好んで食したことが有名です。
他にもローヤルゼリーや母乳、唾液にも含まれていることから、昔の人が擦りむいたらツバをつけて治すことにも一理あるのかもしれません。
しかし、インフルエンザウイルスを取り込む個所にある物質名が分かったところで、取り込むメカニズムが不明のままですから、新型コロナウイルスを同等に扱うわけにはいきません。





oneclickpc1 at 22:48コメント(0) 

2022年02月10日

ゲノムデータ解析人間のDNAの塩基配列を解読する装置をシーケンサーと呼びますが、第1世代のシーケンサーでは、ヒトゲノム30億個を解読するのに、3年以上を要したのですが、次世代型ではわずか6日です。
新型コロナウイルス感染では、ウイルス内の塩基配列3万個を分析することで、PCR検査では分からない構造を事細かに見ることができます。
オミクロン株のゲノム検査の結果から、変異ヵ所を数えてみますと、オミクロン株1型(BA.1)にあったはずの特徴が、オミクロン株2型(BA.2)になりますと、23ヵ所が欠落し、9ヵ所が新たに増えています。

下の図は、2021年10月1日から新たにゲノム解析業務を始めた英国健康安全保障庁からの引用です。
上段がオミクロン株1型(BA.1)で、下段がオミクロン株2型(BA.2)です。

BA1BA2

 

oneclickpc1 at 19:35コメント(0) 
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